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パラブーツ パシフィック | Paraboot PACIFIC

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 パラブーツのサンダル 季節感のない投稿になってしまい恐縮ではあるが、この夏にパラブーツ・パシフィックを購入したので紹介してみる。 夏に気軽に履く靴としてこれまで無名のサンダルを愛用していたが、ボロボロになってきたので代替品を探していた。 安いものならいくらでもあるが、どうせならちょっといいものが欲しいと思っていたところ、パラブーツにパシフィックというグルカサンダルがあることを知り、取り扱いのある百貨店に見に行くことにした。 セメント製法なのもあって手に取るととても軽く、足を入れてみるとお手軽な感じ。 グルカサンダルでもカッチリと造られている製品もあるが、このパシフィックからは重厚な感じを全く受けない。 なんとなく多少の物足らなさを覚えてしまったが、靴の醸し出す雰囲気はとてもよく、気に入ったので購入することにした。 革とサイズ パラブーツと言えばリスレザーであるが、このパシフィックにはベジタブルタンニンレザーもグレインレザーもある。私が選んだのはリスレザーの黒であるが、他にも魅力的な色があって悩ましかった。 サイズは39でも履けるが爪先に圧迫感があったので40にした(サンダルのサイズ感はデザインによっても異なるので、試着を強く推奨したい)。 圧迫感とは親指の爪を押されるような痛みで(少し陥入爪気味なのも原因であるが)、馴染むかどうか心配だったが、数回履いた後にはすっかり気にならなくなった。 踵にはParabootの刻印があるが、すでに消えかけている。 ストラップのバックルにはゴムがついているので、いちいち脱着する必要はない(靴べらがないと履きにくい程度の締め具合にしている)。 ソールはSPORTソールというらしい。 滑りにくく摩耗も穏やかなので、不満はない。 個体差でちょっと気になったのがこの部分。 グルカサンダルなので革を編んだようになっているが、右の一番前だけ革の切り方が足らず、フラットにならず端が丸まったようになっていた。 気に入らないので少しだけ革を切ってみたが完全には元に戻らず、そのうちに気にならなくなってしまった。 メンテナンス お手入れはアヴィニョンと同じく、モゥブレイのビーズエイジングオイルやコロニルのシュプリームクリームを気分によって使い分けている。 アヴィニョンも同様だが、リスレザーで光沢を出したいときはイングリッシュギルドがおすすめで、とても艶

パラブーツ アヴィニョン | Paraboot AVIGNON

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衝動買い パラブーツ・アヴィニョンを衝動買いしてしまった。 コロナ禍の前、東京出張に引っ掛けた観光の最終日に伊勢丹メンズ館で購入した。 もともとこの靴を求めていたわけではないのだが、普段あまり見かけることのない靴たちを見て舞い上がってしまったのか「せっかく来たのだから…」というノリで何か欲しくなってしまったのである(嫁さんのOKが出た…というのが一番かもしれない)。 普段はお目にかかれない靴を見て回りながら、買うなら休みの日用かなあとぼんやり考えていたところ、パラブーツに目が留まった。 実のところブランド靴には疎く「パラブーツと言ったらシャンボード」程度の知識しかなかったので、とりあえずは知名度の高いシャンボードを試着させてもらうことにした。 ところがどうやっても足に合わない。 私の足は甲が低いため、長さで合わせると甲が緩く羽根が閉じるし、サイズを落とすと捨て寸が足らずにつま先が当たってしまう。 これはどうやっても無理だなあと諦めかけていたところ、店員さんがアヴィニョンを持ってきてくれた。 スーツに合わせるつもりはなかったので、デザインはシャンボードの方が好みだったのだが、これはこれで悪くない。 履いてみると、これでもやや甲に余裕はあるものの、フィット感はシャンボードより圧倒的によい。 6、6.5、7と納得いくまで試させてもらい、6.5のリスレザー・ノワール(黒)を購入することにした。 実のところタイトな靴に慣れてくると、これでもやや緩いかなあとも思ったのだが、店員さんの「これがパラブーツのフィット感ですよ」という一言で納得してしまったのである。 アヴィニョンについて フランス本国ではシャンボードよりアヴィニョンが人気らしいが、日本では圧倒的にシャンボードだろう。 よく言われるように、シャンボードより細く薄く、ややドレッシーなデザインである。 ドレッシーと言ってもステッチは白だし緑色のタグもあるので、一般的にはスーツには不可だと思うが。 同じUチップでもモカの縫い方も切り返しも異なり、おなじみのタグも付き方が異なる。 こちらはシャンボード。 アヴィニョンはこの通り、つま先から甲にかけての形状の違いが見て取れる。 ソールはシャンボードのパラテックスソールに対し、グリフ2と

ショーンハイト SH111-12 | Schonheit SH111-12

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コンビネーションオーダー第二弾 すっかり気に入ってしまったショーンハイトのコンビネーションオーダー第二弾。 あまり勝手のわからなかった前回から少しは思うことも増えてきて、どんな仕様にするか当分の間悩んだ(もちろん楽しい時間である)が、ご覧のとおりとなった。 オーダー内容 自由度のあるオーダーであるが、選択肢がありすぎるとかえって迷ってしまう。 一応の目的は「仕事用靴のラインナップをもう少し充実させたい」であったが、休みの日の使用を考慮するか、色は、デザインは、ソールは、甲革は・・・と迷いに迷って何パターンもシミュレートした。 候補として所有していない内羽根フルブローグや、珍しい外羽根フルブローグGF型などがあったが、黒の内羽根クォーターブローグ・アデレード型に決めた。 詳細な仕様は ラスト:SH111 ブリティッシュトラッド サイズ:24.5E デザイン:内羽根セミブローグ アデレード(踝低め、キャップ小さめ;前回と同じ) 甲革:アノネイ黒 ソール:レザーソールつま先ラバー補強 ヒール:ラバーヒール その他:ライニング黒、ギンピングは全て、出し縫い上糸出し+目付シングル、イタリア紐 である。 このアデレード型の内羽根セミブローグは、ショーンハイトのFacebookで見かけた先人の方がオーダーされたものと基本的には同じで、デザインによる追加料金は掛からなかった。 先人の方とのデザイン上の違いは、タンにもギンピングを施していること、目付を粗くしていることである。ちなみにイタリア紐というのは「緩みにくい紐にしてください」とお願いしたらこうなるようだ(蜜蝋が多くややベタベタしている)。 サイズについて 前回は25.0EEの全敷で、足が浮腫んでも痛くならない安心感はあるが、若干緩くなってきた感もあってもう少しタイトでもいいなと思っていた(より厚めの中敷もあるらしく交換することで少しタイトにできるらしいので、オールソールの際はお願いしてみようと思う)。 そこで今回は25.0Eを考えていたのだが、サンプルの24.5EEを履いてみると捨て寸は十分あり、これでもジャストフィットする。 後々のことを考えてもう少し攻めてみるべきかどうか、サイズ選びでもっとも悩むところである。 その日履いていた靴はディプロマットだ

【続】シェットランドフォックス インバネス 007FSF | ShetlandFox INVERNESS 007FSF

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インバネスその後 ややタイトながらフィット感のよいインバネスであるが、前回から19回履いて通算で54回となった。 そろそろ落ち着いてきたのかあまり変化を感じられなくなってきたが、小指側のタイトさもほぼ気にならなくなり、とても快適である。 朝、この靴を履いて家を出ると「ちょっとタイトだな」と思うのであるが、数分もしないうちに馴染んでくる。 靴の大きさを感じないフィット感で、かなり「歩ける靴」になってきた。 見た目の変化 メンテナンスはきちんとやっているので、見た目の変化は特に感じられない。 むしろ以前にもまして艶やかになったかもしれない。 色落ちも相変わらず。 メンテ前の状態から、水を含ませたコットンで軽く拭うとこのくらい汚れる。 さらにステインリムーバーをつけたコットンでそっと拭うと、一回でこのように真っ黒になり、革は一気にマットになる。 ここからサフィールのデリケートクリームを塗り、イングリッシュギルドで仕上げると艶々になる。 クリームは基本的にイングリッシュギルドだが、時々クレム1925を使うこともある。 「クリームはこれ!」と決めている方も多いと思うが、私はあえて色々な種類を使うのも悪くないんじゃないかと思っている。 なぜかというと、 「Aというクリームは総合的にベストなクリームだ」 「Bというクリームは総合的にはAには劣るが、保革という点ではAに勝っている」 という場合、どちらを選ぶのか悩ましいところであるが、 「基本的にはAを使い、時々Bを使う」 とすれば悩むこともなくなる(心の平穏が保てるだけとも言うが)。 すべての点でぶっちぎりに優れたクリームがあるならば迷うこともないが(それはそれで面白くないかもしれない)、いろいろ使い分けてみて違いを発見するのも楽しみの1つ。 もっとも保革という点でクリームの良し悪しを比較して判断するのは、よほどクリームの品質に差がない限り難しいだろう。 同じ靴の左右で塗り分けるにしても、左右で革質が異なることもあるし、それぞれのクリームで推奨されるメンテナンスが違うかもしれない。 なんとなくエンジンオイル選びに通じるものがあるのだが、あちらは廃油の成分分析で数値化した結果が得ら

【続】リーガル 02PR | Regal 02PR

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02PRその後 指の痛みと痛々しい履き皺で、悩み多き靴リーガル02PR。 前回から約40回ほど履いているが、残念ながらあまりいい結果になっていない。 履き皺はともかく、各部にピキピキと割れたような皺が多くなってきた。 ハーフタイプのインソールを入れておけば、指の痛みはほとんどなくなった。 全体的にやや緩くなり、レースをしっかり締めておかないと踵が抜けがちになる。 その他気になる点として、この靴で長距離を歩くと踵が痛くなることがある。 それほど踵のクッションが悪いとは思わないのだが、なぜだろう。 履き皺はこの通り。 ちょうどクレムで磨いた直後なので、艶やかではあるのだが。 内羽根キャップトゥだったなら、履き皺もあまり気にならないかも。 横から見るとこんな感じである。 負荷が掛かる土踏まずの前あたりの状態があまりよくない。 摩耗はラバーソールだけあって穏やかで、ウェルトまではまだ余裕がある。 ヒールもまだ大丈夫そう。 余談だが、この靴で歩いたときの「カツカツ」という音は結構いいと思っている。 羽根はだいぶ閉じてきて、このくらいだと踵が抜けがち。 本気で締めると閉じる寸前になってしまう。 現時点でのまとめ 履き心地に関しては、インソールを入れれば何とかなっている。 踵の緩さも、今のところはシューレースをしっかり締めれば大丈夫。 履き皺はどうにもならない。 個体差なのかもしれないし、気にするほどのものではないのかもしれない。 プレーントゥゆえに目立ちやすいのもあると思う。 それよりも全体的に革がお疲れ気味というか、他の靴と比べて劣化気味なのが気になっている。どの靴も同じように手入れしているのだが。 いろいろ問題点があるが、きちんと手入れは行っている。 実験台になることも多く、レザー用シャンプーで軽く洗ってみたり、スチームを当ててみたり、新しいアイテムを試してみるときはたいていこの靴が選ばれる。 現在では手持ちの靴が増えていくにつれ、登板頻度は下がってきた。 ラバーソールなのをいいことに、曇~小雨のときに履くことが多い(土砂降りのときはGORE-TEXの36HRという靴を

チャーチ ディプロマット | Church's DIPLOMAT

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購入まで いろいろな靴を手に入れだすと気になってくる、海外ブランドの靴。 国産靴に不満があるわけでもないが、異文化に触れてみたいという欲求が次第に募ってきた。 「あちら」のモノには、国産にはない「なにか」があると常々思っている。 モノづくりに対する姿勢やモノを取り巻く歴史や環境など、大雑把に言えば「文化が違う」ということだと思うが、違う文化の国で作られた同じモノの違いはとても興味深い。 車などまさにその典型で『我々の造る車はこうなのだ』というあちらのメーカーの哲学に惹かれる人も多い(国産車でもそれを感じることはあるが、多くは「大衆の求めるもの」を優先しすぎているように思う)。 もちろん国産車が優れている点も多く、また国内で乗るなら国産車が無難であることは間違いないとは思うのだが、違う国の文化に触れることで自分自身の物差し(価値観)を進化(深化)させることができたなら、それはとても有意義なことだと思う。 またそれによって、あらためて国産車のよさを感じることもある。 話が脱線してしまったが、靴でも「あちらの文化」に触れてみたくなり、思い切って一足購入することにした。 予算の都合もあるが、靴箱に飾っておきたくなるような靴よりもしっかり履いて堪能できる靴がいい。 いろいろ検討した末、選んだのはチャーチ・ディプロマットで色はエボニー。 質実剛健な靴、足に合いそうな木型という点でチャーチのラスト173が候補に挙がり、所有していないデザイン、仕事の日もオフの日にも使いやすいという点でディプロマットのエボニーを選んだ。 購入はかなり冒険ではあったが、 通販 を利用した。 木型が自分に合うのか、サイズはいくつが適切なのかと当分の間悩んだが、多くのインプレを参考にさせてもらってラスト173なら6.5Fで大丈夫そうだ、と心は決まった(といっても最後は「ダメだったら送料負担してでも返品交換すればいいや」である)。 到着 注文後、ほんの数日でディプロマットはやってきた。 エボニーの色味は、かなり濃い目のダークブラウンといったところか。 思っていた通りの色だったので、まずは安心。 どきどきしながら、皺を入れないよう(返品の可能性があるので)慎重に履いてみる。 ちょっとタイトだが捨て寸も充分、羽根の開き具合も適切で、これな