【続】シェットランドフォックス インバネス 007FSF | ShetlandFox INVERNESS 007FSF

インバネスその後

ややタイトながらフィット感のよいインバネスであるが、前回から19回履いて通算で54回となった。
そろそろ落ち着いてきたのかあまり変化を感じられなくなってきたが、小指側のタイトさもほぼ気にならなくなり、とても快適である。
朝、この靴を履いて家を出ると「ちょっとタイトだな」と思うのであるが、数分もしないうちに馴染んでくる。
靴の大きさを感じないフィット感で、かなり「歩ける靴」になってきた。


見た目の変化

メンテナンスはきちんとやっているので、見た目の変化は特に感じられない。
むしろ以前にもまして艶やかになったかもしれない。

色落ちも相変わらず。
メンテ前の状態から、水を含ませたコットンで軽く拭うとこのくらい汚れる。



さらにステインリムーバーをつけたコットンでそっと拭うと、一回でこのように真っ黒になり、革は一気にマットになる。



ここからサフィールのデリケートクリームを塗り、イングリッシュギルドで仕上げると艶々になる。




クリームは基本的にイングリッシュギルドだが、時々クレム1925を使うこともある。
「クリームはこれ!」と決めている方も多いと思うが、私はあえて色々な種類を使うのも悪くないんじゃないかと思っている。

なぜかというと、
「Aというクリームは総合的にベストなクリームだ」
「Bというクリームは総合的にはAには劣るが、保革という点ではAに勝っている」
という場合、どちらを選ぶのか悩ましいところであるが、
「基本的にはAを使い、時々Bを使う」
とすれば悩むこともなくなる(心の平穏が保てるだけとも言うが)。

すべての点でぶっちぎりに優れたクリームがあるならば迷うこともないが(それはそれで面白くないかもしれない)、いろいろ使い分けてみて違いを発見するのも楽しみの1つ。

もっとも保革という点でクリームの良し悪しを比較して判断するのは、よほどクリームの品質に差がない限り難しいだろう。
同じ靴の左右で塗り分けるにしても、左右で革質が異なることもあるし、それぞれのクリームで推奨されるメンテナンスが違うかもしれない。
なんとなくエンジンオイル選びに通じるものがあるのだが、あちらは廃油の成分分析で数値化した結果が得られるが、こちらはそういうわけにもいかず難しい。

インバネスのよさ

革靴を見る目が少しばかり肥えてきて、あらためて振り返ってこの靴を観察すると「とても造りがいいな」と感心してしまう。
履き心地もよく、包み込まれるようなフィット感は、長いヒールカウンターと踵の窪みのおかげですよ、と購入した百貨店で言われたのを思い出す。

時計で言えばグランドセイコーみたいなものだろうか。
「舶来品のような色気には欠けるものの、それらと比べてリーズナブルであり、いかにも日本的な造りこみが感じられる」
と書くと、シェットランドフォックスにもグランドセイコーにも当てはまるように思う。

と、お気に入りのインバネスであるが、残念ながら生産終了となってしまった。
後継モデルはTrafalgar(トラファルガー)だそうで、こちらこちらで紹介されているが、原価高騰のためかアッパーが国産キップになってしまったようだ。
そうなると不思議なもので、ますます愛着が湧いてしまう(笑)。


まだまだヘタリを感じることもないので、これからも当分の間つき合っていけそうである。

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