ショーンハイト SH111-12 | Schonheit SH111-12
コンビネーションオーダー第二弾
すっかり気に入ってしまったショーンハイトのコンビネーションオーダー第二弾。
あまり勝手のわからなかった前回から少しは思うことも増えてきて、どんな仕様にするか当分の間悩んだ(もちろん楽しい時間である)が、ご覧のとおりとなった。
オーダー内容
自由度のあるオーダーであるが、選択肢がありすぎるとかえって迷ってしまう。
一応の目的は「仕事用靴のラインナップをもう少し充実させたい」であったが、休みの日の使用を考慮するか、色は、デザインは、ソールは、甲革は・・・と迷いに迷って何パターンもシミュレートした。
候補として所有していない内羽根フルブローグや、珍しい外羽根フルブローグGF型などがあったが、黒の内羽根クォーターブローグ・アデレード型に決めた。
候補として所有していない内羽根フルブローグや、珍しい外羽根フルブローグGF型などがあったが、黒の内羽根クォーターブローグ・アデレード型に決めた。
詳細な仕様は
このアデレード型の内羽根セミブローグは、ショーンハイトのFacebookで見かけた先人の方がオーダーされたものと基本的には同じで、デザインによる追加料金は掛からなかった。
先人の方とのデザイン上の違いは、タンにもギンピングを施していること、目付を粗くしていることである。ちなみにイタリア紐というのは「緩みにくい紐にしてください」とお願いしたらこうなるようだ(蜜蝋が多くややベタベタしている)。
靴にはSH111-12とあるが、箱にはSH111-2ADとあった。
ラスト:SH111 ブリティッシュトラッドである。
サイズ:24.5E
デザイン:内羽根セミブローグ アデレード(踝低め、キャップ小さめ;前回と同じ)
甲革:アノネイ黒
ソール:レザーソールつま先ラバー補強
ヒール:ラバーヒール
その他:ライニング黒、ギンピングは全て、出し縫い上糸出し+目付シングル、イタリア紐
このアデレード型の内羽根セミブローグは、ショーンハイトのFacebookで見かけた先人の方がオーダーされたものと基本的には同じで、デザインによる追加料金は掛からなかった。
先人の方とのデザイン上の違いは、タンにもギンピングを施していること、目付を粗くしていることである。ちなみにイタリア紐というのは「緩みにくい紐にしてください」とお願いしたらこうなるようだ(蜜蝋が多くややベタベタしている)。
サイズについて
前回は25.0EEの全敷で、足が浮腫んでも痛くならない安心感はあるが、若干緩くなってきた感もあってもう少しタイトでもいいなと思っていた(より厚めの中敷もあるらしく交換することで少しタイトにできるらしいので、オールソールの際はお願いしてみようと思う)。
そこで今回は25.0Eを考えていたのだが、サンプルの24.5EEを履いてみると捨て寸は十分あり、これでもジャストフィットする。
後々のことを考えてもう少し攻めてみるべきかどうか、サイズ選びでもっとも悩むところである。
その日履いていた靴はディプロマットだったのだが、そのディプロマットを触診した担当の(社長の)伊藤さんの「ラスト173の6.5Fで大丈夫なら、24.5Eでいけるかもしれません」という一言で、少々タイトなのは覚悟して24.5E半敷を選ぶことにした。
そこで今回は25.0Eを考えていたのだが、サンプルの24.5EEを履いてみると捨て寸は十分あり、これでもジャストフィットする。
後々のことを考えてもう少し攻めてみるべきかどうか、サイズ選びでもっとも悩むところである。
その日履いていた靴はディプロマットだったのだが、そのディプロマットを触診した担当の(社長の)伊藤さんの「ラスト173の6.5Fで大丈夫なら、24.5Eでいけるかもしれません」という一言で、少々タイトなのは覚悟して24.5E半敷を選ぶことにした。
到着
オーダーしてから約1か月半、新しい靴はやってきた(前回同様取りに行ったのであるが)。
靴にはSH111-12とあるが、箱にはSH111-2ADとあった。
ささやかな違いである、タンのギンピング。
ショーンハイトのタンは厚いが、足首に刺さって痛い・・・なんてことはない。
目付はこんな感じである。
右のシェットランドのインバネスと比べると違いがよくわかる。
インバネスは細目付けで、出し縫い糸が見えないドレッシーな仕上げ。
今回はやや活動的な雰囲気にしたかったのでこのようにしてみた。
ソールは前回と同じく、レザーソールにつま先ゴム当て。
ゴムヒールなので滑ることはほとんどない。
プレメンテ
到着した靴をそおっと履こうとすると、かなりタイトで全体的に硬く、なかなか足が入らない。
ちょっと攻めすぎたかなあと不安になったが、長さ方向には問題なく幅の問題であるのできっと馴染むと信じて、プレメンテを始めた。
プレメンテは基本的に「油分と水分をしっかり入れた後、足を入れ徐々に慣らしていく。クリーム類は最初はやや多めに、徐々に量を減らしていく」という方針でやっている。
今回はかなりタイトな靴ということもあり、湿らせたコットンで拭った後、いつもの手順の前にミンクオイルを塗りこんでみた。
塗る場所は皺の入る甲のみで、ミンクオイルを指で取って薄く塗り広げて、しっかりと塗りこみ、余剰分を軽く拭きとっておく。
30分ほど放置したらしっかりと拭き取って、ここからはいつもの手順に戻す。
プレメンテで使うデリケートクリームは、定番のモゥブレイやサフィール、コロニルなどいろいろあるが、今回はサフィールノワールのスペシャルナッパデリケートクリームとブートブラックのリッチモイスチャーを使ってみた。
もちろん続けて重ね塗りをするのではなく、塗る→室内履き→ツリーに入れて休ませるというプロセスを繰り返す中で必要に応じて塗っていく。
この靴はあまり乾いた感じがしなかったので、塗り工程はさほど多くなかった。
室内履きをしていると徐々に慣れてはきたが、右の甲がかなりきついのがあまり改善せず、これはもう履きながら慣らすしかないと思って、いつものつま先ゴム当てを施して履きおろすことにした。
履きおろし~現在まで
初日は近所を一回りしただけだったが、痛い。とにかく痛い。
右側の甲とレースステイの革が重なっている部分がどうにもきついようだ。
といっても慣れる(慣らす)しかないので、しばらくは近所の買い物など、あまり歩くことがない局面で履いていた。
会社に履いていけるようになったのは7回目、家を出たときは多少の痛みがあったが、帰るころには何とか我慢できる程度になった。
それからは必ず週一のローテに入れて、13回目に劇的に改善、ようやく馴染んできたかな?と感じることができた。
その後17回目でほとんど気になる点がなくなり、現在26回履いているが、もはやこの靴を選ぶのに躊躇はなくなった。
靴が足に馴染むまでを「靴との闘い」とするならば、敵が手強いほど弱気になってしまい、闘いそのものを回避したくなる。が、この靴との闘いはもはや私の勝利である。
さて、馴染むまでに時間が掛かった分、現在のフィット感はとてもよい。
履いた感触はディプロマットに似ていないこともないが、こちらの方がややタイト。
インバネスのように踵を掴まれるフィット感はないが、とても歩きやすい靴だと感じている。
これからもう少し緩くなるだろうが、むしろちょうどよくなっていくような気がしている。
右側の甲とレースステイの革が重なっている部分がどうにもきついようだ。
といっても慣れる(慣らす)しかないので、しばらくは近所の買い物など、あまり歩くことがない局面で履いていた。
会社に履いていけるようになったのは7回目、家を出たときは多少の痛みがあったが、帰るころには何とか我慢できる程度になった。
それからは必ず週一のローテに入れて、13回目に劇的に改善、ようやく馴染んできたかな?と感じることができた。
その後17回目でほとんど気になる点がなくなり、現在26回履いているが、もはやこの靴を選ぶのに躊躇はなくなった。
靴が足に馴染むまでを「靴との闘い」とするならば、敵が手強いほど弱気になってしまい、闘いそのものを回避したくなる。が、この靴との闘いはもはや私の勝利である。
さて、馴染むまでに時間が掛かった分、現在のフィット感はとてもよい。
履いた感触はディプロマットに似ていないこともないが、こちらの方がややタイト。
インバネスのように踵を掴まれるフィット感はないが、とても歩きやすい靴だと感じている。
これからもう少し緩くなるだろうが、むしろちょうどよくなっていくような気がしている。
トラブル
プレメンテの途中で気が付いたのだが、タンとレースステイが縫い付けられていなかった。すぐに対応してもらったので特に問題ではなかったが、ディプロマットもここに難ありだったので、今度からここのチェックが癖になりそうである。
革質
前回の山陽ボックスキップに特に不満は無かったのだが、今回はアノネイ(ボカルーなのかベガノなのかはわからない)にしてみた。
結論から言うと、黒ならさほど大きな差はない、かもしれない。
インバネスのアノネイ・ボカルーは色落ちがすごいが、こちらはさほどでもない。
下はメンテ前に水を含ませたコットンで軽く拭いたところ。
結論から言うと、黒ならさほど大きな差はない、かもしれない。
インバネスのアノネイ・ボカルーは色落ちがすごいが、こちらはさほどでもない。
下はメンテ前に水を含ませたコットンで軽く拭いたところ。
次にステインリムーバーをつけたコットンでそっと拭ったところ。
それなりに黒くはなるが、インバネスほどではない。
以前紹介しているが、インバネスだとこうなる。
このエントリーを書きながらあらためて山陽とアノネイを見比べてみた。
写真右が前回の山陽で、左が今回のアノネイ。
艶感は山陽がやや硬質な感じであるのに対し、アノネイはしっとりした感じを受ける。
触感はアノネイの方が柔らかく、肌理もアノネイの方がやや細かい。
手に取ってよく眺めてみるとアノネイの方がやや光るような気もするが、手が掛からないのは山陽の方。
価格差が2,000円なので悩みどころではあるが、仕事用として使う黒の靴であれば山陽がいいかもしれない。
所感
ようやく馴染んできたが、最初のタイトさは本当に不安だった。
あらためてサイズ選定は難しいなあと思う。
もっとも今回で同じ木型の2つのサイズを試すことができたので、このブリティッシュトラッドのマイサイズを確定できそうである。
シューツリーは前回と同じLifeValueだと全体的にフィット感がよろしくなかったため、スレイプニル・トラディショナルの40を入れている。
実はスレイプニルでも甲はしっくり来ないのだが、全体的には手持ちのツリーの中で一番よかった。
自作のつま先ゴムあては最初のみ施工したが、効果はあったようで摩耗状態は悪くない。
クリームはクレム1925とイングリッシュギルドを気分によって使い分けている。
あらためてサイズ選定は難しいなあと思う。
もっとも今回で同じ木型の2つのサイズを試すことができたので、このブリティッシュトラッドのマイサイズを確定できそうである。
シューツリーは前回と同じLifeValueだと全体的にフィット感がよろしくなかったため、スレイプニル・トラディショナルの40を入れている。
実はスレイプニルでも甲はしっくり来ないのだが、全体的には手持ちのツリーの中で一番よかった。
自作のつま先ゴムあては最初のみ施工したが、効果はあったようで摩耗状態は悪くない。
クリームはクレム1925とイングリッシュギルドを気分によって使い分けている。
上で触れたように、甲の皺が伸び切らない。
加えて左右ともボールジョイントの親指側にテンションが掛からないのだが、あまり気にしないようにしている。
今回は馴染むまでに時間が掛かったため、全体的な感想はまだまだこれからというところであるが、前回同様「いい道具」として活躍してくれそうである。
靴の買い方として、コンビネーションオーダーはとても面白い。
普通のサラリーマンにはなかなか手が出ないビスポークと比べると、もちろんフィット感や完成度は劣るのだろうが、このコンビネーションオーダーでも相当な自由度があると思う。
加えて作り手の方とじっくり話ができて、しっかり見てもらえるというのは大きく、本当にコストパフォーマンスは高いと感じる。
コロナ禍のためまだ予定が立っていないが、次回は嫁さん用のローファーをオーダーしようと思っている。
左右の足サイズが異なるため既製品のローファーでは合わせにくいらしいのだが、コンビネーションオーダーなら万事解決!
女性物ではあまり見かけない、グッドイヤーウェルト製法で造られた靴のよさを刷り込もうと目論んでいる(笑)。
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